2019年に開催されたKOCAのものづくりイベントを紹介

2020.04.01 / EVENT

こんにちは、KOCAを運営している@カマタの連(むらじ)です。KOCAでは2019年4月にオープンしてから1年間、ものづくりや創業支援に関わる様々なイベントを開催してきました。本格的なものづくりワークショップ、これからのものづくりのあり方について真剣に議論するトークイベント、横の繋がりとコラボレーションを生み出すための飲んで騒いで楽しいパーティーまで、振り返ると本当にたくさんの種類のイベントを開催してきたことがわかります。このレポートでは、少しでもイベントの雰囲気を発信すべく、いくつかピックアップして紹介していきます!

親子で椅子をつくろう!:コーカ _スクール

オープンしてからすぐ、建築家の水谷晃啓さんを講師としてお招きし、親子でできる「ものづくりワークショップ」を開催しました。KOCAの工房にも置いてあるShopbotというデジタルのCNC切削機で切り出された木の部材を組み合わせ、ゴムハンマーで組み立てながらみんなで椅子を作りました。

ワークショップ当日は晴れた暖かい日。高架下に材料を広げて、みんなで作業をしました。地域とつながり、次世代の社会を担う子供達と一緒にものづくりができたことはKOCAにとっても嬉しい体験でした。自分たちで使う場所や環境を、自分自身の手でつくっていけるということを伝えていくためにも、こうした子供向けのワークショップはこれからも続けていきたいと思います。

アーティストと町工場がコラボレーションして生まれた指輪:SMALL FACTORY RING展示会

9月にはSmall Factory Ring 「町工場リング」の展示会を行いました。町工場リングは、現代美術作家である田添かおりさんと、大田区にある町工場・矢澤製作所が制作しているアートジュエリー作品です。矢澤製作所による金属の精密加工技術と、田添さんの美的感覚により生まれた今までにない魅力的な指輪です。KOCAとしては、こうした町工場とアーティストによるコラボレーションを発信すべく、展示会をラウンジスペースで開催しました。実際にここで見て触れて購入することもできます。

壁面には田添さんによるドローイングも展示。グレーの壁面に、金属切削加工により生まれた、ゴールド、シルバー、ブラック、そしてメッキのかかった様々な色・形の指輪が並びました。みているだけでもワクワクするようなプロダクトです。

詳しいことを知りたい人はこちらの町工場リングのウェブサイトをチェックしてみてください。
https://830designlab.tokyo/

制作と運営の一致を目指す:NEW INDEPENDENTS


KOCAレクチャーシリーズとして、これからのものづくりを真剣に議論するトークセッションを全6回開催しました。この企画には、文字を読み上げる不思議なメガネを開発しているOTON GLASS代表の島影圭佑さんと、スペキュラティブ・ファッションデザイナーである川崎和也さんに参加してもらい、人選とテーマ、そして当日の進行を進めてもらいました。建築、アプリ、義手、音楽レーベル、アートなど様々な領域で最前線の取り組みに挑戦する特別ゲストの方と共に、「作り手」としていかに資本主義の波に飲み込まれず主体性を持って創作していくか議論が行われました。登壇頂いたゲストの方はどなたも単にものを作っているだけでなく、それをいかに人に届けるか、販売のプラットフォーム、ビジネスモデル、拠点づくりまで含めて包括的に実践されていることが特徴的でした。当日のホットな議論はこちらのレポートで読むことができます。
https://medium.com/new-independents/tagged/new-independents

大田区に拠点を持つ現代アーティストによる展示:Ota Art Archives(OAA)

Ota Art Archivesは、大田区ゆかりの作家をお招きし、展示や企画を行なっていくアートイベントのシリーズです。第一回目の展示は、大田区に長年スタジオを構える美術作家・青山悟さんにお願いしました。青山さんとはOAAの企画そのものから議論することができ、6月から公開制作と展示をしていただきました。ミシンを使った現代社会における労働、生活、テクノロジーをテーマとした作品がKOCAの空間を彩りました。また、第二回目として2020年3月には、蛍光灯など日本のどこの家庭でも見かけるキッチュなプロダクトを使って作品を制作している東恩納裕一さんによる展示を開催しました。残念ながら新型コロナウィルスの影響でトークイベントなどは中止となってしまいましたが、会期中には様々な人に作品をみて頂くことができました。

OAAは、通常のギャラリーや美術館と違い、必ずしも完成した作品が置かれているだけでなく、作品未満とよべるようなちょっとした思いつきで制作されたものや、作品が作られるプロセスで生まれるスケッチやスタディも展示されていることが特徴かもしれません。こうした場の可能性を生かしてこれからも継続してOAAを続けていきたいと思っています。

さて、いかがだったでしょうか。まだまだ紹介したいイベントは色々ありますが、また今度機会があればレポートとして発信していければと思います。KOCAではこのようにものづくりに関わる様々なプログラムを開催していきますので、皆さん、よければ気になるイベントに参加してみてください。

(文:連勇太朗)